終活という言葉は、週刊誌『週刊朝日』から生み出された言葉だと言われており、2009年(平成21年)に終活に関する連載が行われた時期以降から、「終活本」などと呼ばれる、これに関する書籍が幾つも出版され、世間への認知度も、急速に広まってきております。2010年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされ、2012年の「新語・流行語大賞」で、トップテンにも選出されており、少子高齢化や核家族化が、急速に進む中で、世間の注目度、関心の高さが、うかがい知れます。
余命宣告後に執筆し始め、自身の「終活」を、赤裸々に綴った「僕の死に方 エンディングダイアリー(小学館)」を、自らの死後に出版し、肺カルチノイドの為、2012年に41歳の若さで急逝した、流通ジャーナリストの金子哲雄さん。彼は「完璧な終活」をしたことで、大きな話題となりました。金子さんは、病気がわかって、突然余命宣告を受けた時から、自分の死ぬ時と、死んだ後のことについて、前向きにしっかりと向き合い、後に残される、大切な方々の為にも、自らの価値観、考え、信念に基づき、周到な準備をされていました。
具体的には、墓地の選定・購入、お墓の建設、遺影の撮影、お寺の手配、生前戒名受戒、葬儀社の手配、葬式時の服装、葬式の進行の決定、司会の手配、弔問客へのふるまい料理の選定、参列者へのお礼の手紙等が、生前に完璧に準備されていました。「流通ジャーナリスト」という肩書にふさわしく、お金のことも、きっちり終活をされていたそうで、死後、故人の銀行預金口座は、一定期間使えなくなるので、葬儀費用としての200万円程を、奥様の口座に移していました。前述の通り、金子さんが死に向き合っていたことは、後に本になりました。勿論、本の印税についても、出版時期についても、事前に考えられていました。
金子さんの、完璧で前向きな「終活」を知って、自分の終活について考える方が、更に多くなりました。終活専門誌の発刊をはじめ、文藝春秋、中央公論、週刊東洋経済等、各種月刊誌、週刊誌等に、終活の特集が組まれ、近年終活は、社会の大きな潮流となってきており、益々関心が高まってきております。
一口に「終活」と言っても、近年は「終活ブーム」と言われる程、テレビ、書籍、インターネット等、各メディアが取り上げることも、日に日に多くなってきており、それに伴い、「(社)終活カウンセラー協会」をはじめ、多くの団体や個人が、各々の価値観、考え方に従って、様々な活動をしている為、「終活の定義はこれです」と言うのは、少々難しいかもしれませんが、「自分達が元気で動けて、考えることができる内に、配偶者、子供、孫、親戚等に、迷惑や面倒をかけないよう、自分自身の為にも、葬儀、お墓、遺言、エンディングノート、相続対策、財産分与、介護、終末期医療、生前整理、保険、後継者問題等々の、老後や死後の、不安や心配事を、自らの事と自覚し受け止め、自ら考え活動することにより、早期に解消しておき、これからの人生を、より自分らしく、前向きに生きる為の活動。」であり、「終活=愛の一つの形」とも言えるのではないでしょうか。
諸行無常、生者必滅、会者定離。この世に形、命有る物は、同じ色形を止める事は無く、常に移ろいゆき、変化し続ける。この世に、永久不滅の物は一つも無く、命有る物は、必ず滅する時が来る。
出会った人とは、いつか必ず別れの時が来る。私達人も、生まれからには、一人の例外も無く、遅かれ早かれ、いつか必ず、死ぬ時が訪れます。「自分も遅かれ早かれ、いつか必ず死ぬ。」という、誰も逃れようの無い現実、宇宙の真理を、逃げずに受け止めてこそ、今ある「生」「命」「人生」の意味も、重さを増すのではないでしょうか。後に残される、「大切な」「かけがえのない」あの人や、あの人の為にも、ご自分なりの、ご自分らしい「終活」を、前向きにされてみてはいかがでしょうか?
弊社には、「終活カウンセラー」(終活カウンセラー協会認)や、「お墓ディレクター2級」(日本石材産業協会認定10-200099-00)の有資格スタッフが在籍しておりますので、お気軽に御相談下さい。